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2022年3月2日 日経新聞 16面 ビジネス1
日本には一つの国としては世界でも珍しい、多くの数の自動車メーカーがあります。その数11社。メーカーそれぞれに、独自の販売網・サービス網を形成しているので、新規参入が非常に困難な業界です。
ワタクシ、新卒で勤務したのはマツダ株式会社。わずか5年間の経験でしたが、ビジネスマンとしての基礎を培っていただきました。博報堂へ転職してからも、自動車業界への関心は持ち続け、スズキ、ニッサン、BMW・MINIのお仕事をさせていただきました。
ですが、今日ご紹介する中古車販売業界は、ノーマークでした。最大手のガリバー(IDOM)はCMで知っていたのですが、恥ずかしながらネクステージは知りませんでした。今日は「クルマの総合店」として中古車販売業という真っ赤っかなレッドオーシャンで成長を続けるためのヒントを探したいと思います。
目次 生涯取引のための、総合店 ライフタイムバリュー ネクステージの採用サイト (脱線方法)企業情報を集めるには |
生涯取引のための、総合店
中古車のネクステージ
ネクステージと検索すると、いきなりドカーンと「全力売り尽くし、他社決算、徹底対抗」との文字が踊ります。これだけだと、フツーの中古車販売サイトの印象です。
「店が広くて待たされない。新車ディーラーよりお得で、便利だ」 |
ネクステージは、新車ユーザーの取り込みに成功したんじゃないかなと、推察します。
みなさんは、新古車ってご存じですか?簡単にいうと、中古車と新車の中間。新車ディーラーが販売ノルマを達成するために、ナンバーを取得し、走行距離がほとんどないクルマのことです。
実際にどの程度の「新古車」が市場に流通しているのかはわかりませんが、いくつかデメリットはありますが、クルマのお得な買い方として定着しています。
買う時は安くても、その後のメンテナンスが心配。
新古車ユーザーに限らず、中古車ユーザーの共通認識だと思います。
ネクステージは、このような中古車ユーザーの不安を払拭し、車検・点検サービス、買取まで幅広く提供する「総合店」として業績を伸ばしたそうです。
ライフタイムバリュー
昨今のD2Cブランドの台頭や、ネットマーケティング業界の急成長で、よく話される「ライフタイムバリュー」。直訳すると、生涯顧客価値、です。
LTVとは?注目されている理由とLTVを高める方法を解説
そもそも、新規顧客開拓は、顧客との接点を生み出して売上に結びつけるまでに、膨大なプロセスとコスト、時間がかかります。短期的な売上を確保する上で新規顧客開拓は欠かせないものですが、変化した市場で新規顧客開拓だけに注力していると、コストばかりが増えて、収益は思うように拡大しないという負のサイクルに陥る可能性が出てきたのです。 対して、既存顧客の場合、良好な関係を維持することさえできれば、リピート購入や紹介による顧客の拡大が期待できます。アメリカのコンサルティング企業であるBain & Company社のフレデリック・F・ライクヘルド氏は、新規顧客を開拓して利益を得るコストに比べて、既存顧客を維持して利益を得るコストは5分の1で済むと提唱しています。こうしたことから、既存顧客との関係を良好にするマーケティングが重視されるようになり、その関係性を数値として可視化できるLTVに注目が集まるようになりました。 |
今日ご紹介した、ネクステージは、今から7年前、2015年の段階でLTVに着目、中古車販売のみの事業から戦略を転換、車検や修理のための整備工場を構え、整備工など人材も整えたとのこと。
このビジネスモデルの切り替えには、多くの投資が必要だったことから、経営者の意思決定力が、現在の好業績に繋がっている、と言えますね。
現在の管理顧客数は50万人。それを30年11月期には300万人と6倍に伸ばす計画だと言います。すごい!
人口減、高齢化が進むことで、国全体が低成長。それに加えEV化が進むことで、先が読めない日本の自動車業界の中で、この経営目標を立てられることって、素晴らしいですね!
ネクステージの採用サイト
株式会社 ネクステージ 新卒採用サイト
隠さない。だから、見てほしい。というキャッチフレーズがいいですね。
自動車販売業という、3Kイメージの強い業界の中で、しっかりと差別化されたメッセージだと思います。
ワタクシの勝手な意見ですが、自動車業界って、マーケティングを学ぶには最も適した業界だと思います。
ネクステージに入社して、マーケティングの基礎をしっかり学び、その後、さまざまな業界で活躍する若い人が増えること、楽しみにしています!
(脱線方法)企業情報を集めるには
↑ こちらは、ネクステージの競合、IDOM(ガリバー)の業績推移。さっきのネクステージのグラフと比較すると、めちゃくちゃ、わかりやすくないですか。
で、実は、競合他社のこういうデータをパッとチェックしたい。そんなーシーンってないですか。でも、いざグーグル先生に聞いてみても、ここまで整理されたデータにたどり着くのって、結構大変じゃないですか。
で、そんな企業データをイッキ見できる、こちらは、NewsPicksのサービスです。業績だけではなく、最新のニュースもまとまっています。
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株式会社ニューズピックス / NewsPicks, Inc.
今日も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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