大企業の「届ける技術」を、創業支援の現場へ
良い商品があっても、リーチできないケースが往々にしてある──
滋賀県中小企業診断士協会 創業支援研究会からのご依頼を受け、「マーケティングの知見を創業支援の現場に届ける」をテーマに講演を行いました。
博報堂で29年間、ENEOS・スズキ・スターバックス・BOSEなどの広告戦略を手がけた経験から、大企業が数百億円かけて実践している「届ける技術」の本質を、創業支援者がすぐに使える形にして共有しました。
プログラム
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10:00 | 自己紹介 & 問題提起 |
| 10:08 | マツダ ─ 商品企画の原体験 / メルセデス・ベンツの失敗 |
| 10:18 | 博報堂29年 ─ WHAT TO SAY / HOW TO SAY |
| 10:27 | 太郎坊チャレンジ ─ ゼロ予算の実践 |
| 10:35 | AI × マーケティング ─ ライブデモ |
| 10:47 | 3つの型 + 実践事例【重点パート】 |
| 11:05 | 質疑応答 |
講演の柱:3つの型
創業支援の現場で「明日から使える」ことを最優先に、3つの型を提示しました。
型① 3C → 1メッセージ
Customer・Competitor・Companyを整理し、「一言で言うと何屋?」を初回面談30分で決める。すべてのコミュニケーションの軸になる問い。
型② チャネル × コンテンツ マトリクス
縦にチャネル(SNS・チラシ・口コミ・Web・イベント)、横にコンテンツ(告知・事例・想い・キャンペーン)。全部埋めなくていい。「ここはやらない」と決めることが戦略。
型③ AI壁打ちセッション
創業者と一緒にAI画面を見ながら、市場環境分析→ターゲット選定→コンセプト→アクションプランを30分で組み立てるファシリテーション型の支援メニュー。
開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 2026年4月4日(土)10:00〜12:00 |
| 会場 | フェリエ南草津 |
| 主催 | 滋賀県中小企業診断士協会 創業支援研究会 |
| 対象 | 中小企業診断士(創業支援に携わる方) |
| 参加費 | 無料 |
講師
今宿 裕昭(ステップアウトマーケティング合同会社 代表) 博報堂で29年間、年間200億円規模の広告戦略を指揮。マツダ・ENEOS・スズキ・スターバックス・BOSEなどを担当。2020年に独立後、滋賀県東近江市で「太郎坊チャレンジ」を立ち上げ、ゼロ予算のマーケティング実践を重ねる。現在は生成AI導入プロデューサーとして、中小企業の「届ける力」を底上げするサポートを行う。
開催レポート
2026年4月4日、14名の中小企業診断士の皆さんにご参加いただきました。
講演のコアメッセージ
大企業が数百億円かけて伝えていることの「本質」は2つだけ。 WHAT TO SAY(何を言うか)と HOW TO SAY(どう届けるか)。 WHATが曖昧なまま HOWに走ると、届かない。
90分の講演を通じて、この原則を「3つの型」として持ち帰れる形に落とし込みました。
AIライブデモ
講演の中盤では、架空の創業者(東近江で手作りジャム工房を開く30代女性)を想定し、AIと5分で集客戦略を組み立てるライブデモを実施。
PEST分析 → 3C分析 → ターゲット選定 → コンセプト・コピー → アクションプラン
この一連の流れを会場の目の前で実演しました。
アンケート結果
全14名から回答をいただきました(回答率100%)。
行動意欲:
- 「聞ける。もう質問の形が見えている」── 50%
- 「聞きたいが、切り出し方がまだ不安」── 50%
- 「合わない」「試さない」── 0%
最初に試したい型:
- 型① 3C → 1メッセージ ── 71%
- 型③ AI壁打ちセッション ── 21%
- 型② マトリクス ── 7%
一番「使える」と思った部分:
- AIライブデモ / AI壁打ちの手法 ── 43%(1位)
- 3つの型(配布シート) ── 21%(2位)
- 太郎坊チャレンジの実践事例 ── 14%(3位)
90分の長さ:
- ちょうどよい 79% / 短かった 21% / 長かった 0%
続編テーマの希望(複数回答):
- AIマーケティング分析ハンズオン ── 10票
- 型①〜③ワークショップ ── 8票
- 支援事例をその場で分析する会 ── 4票
参加者の声
「良いものを作るだけじゃダメで、届ける戦略が要る。しかも今はAIで誰でもできる」
「大企業の方法が、今自分でできる。ただやらないだけ」
「支援先の思いを引き出し、絞り込む」
「まずリサーチをかけて、正確な現状を知ってから戦略を考える」
「伝わらなければ、存在しない」
所見
「届ける技術」というメッセージは正確に届きました。特にAIライブデモへの反応が強く、「理論より実演」が響く聴衆であることがわかりました。型①(3C → 1メッセージ)の支持が圧倒的で、シンプルさ・取り掛かりやすさが評価されています。
続編へのニーズは全員から寄せられ、「AIハンズオン」と「ワークショップ」の2本柱が明確です。