太郎坊チャレンジ|1400年の歴史と379段の石段を地域価値へ転換したプロデュース事例
1. プロジェクト概要
太郎坊チャレンジは、滋賀県東近江市の太郎坊宮(阿賀神社)に続く石段を活用した、地域発のステアクライミングイベントです。
- 太郎坊宮の石段:742段
- イベント競技区間:379段
- 歴史:1400年以上
当社(ステップアウトマーケティング合同会社)は、企画・戦略立案・ブランド設計・大会プロデュース・行政連携・PR・運営設計まで一貫して伴走してきました。
2025年には、スポーツ庁「スポーツツーリズムコンテンツ創出事業」に採択され、"地域資源を価値へ翻訳するモデル事例"として評価されています。
2. 背景と課題
東近江市は、琵琶湖と鈴鹿山脈の間に広がる自然豊かな地域ですが、以下の課題を抱えていました。
■ 地域課題(自治体が抱えていた構造的な課題)
- 観光地としての認知度が低い
- 市外・県外からの来訪者が少ない(関係人口不足)
- 歴史・文化資源の活用が限定的
- 若年層の地域参画の機会が不足
- 「東近江らしさ」を象徴するコンテンツが不在
■ 太郎坊宮の潜在価値(地域が気づいていなかった"資源")
- 1400年以上続く信仰文化
- 赤神山中腹に広がる雄大な景観
- 742段にわたる急勾配の石段
- 関西圏から日帰り可能なアクセス性
これらの"原石"を、どう価値へ変換し、地域活性へつなげるか。
ここからプロジェクトが始まりました。
3. アプローチ(フェーズ設計)
プロジェクトは、以下の6つのフェーズで構築しました。
フェーズ1:地域資源の価値抽出
- 文化・歴史・景観・参道の体験価値を分解
- 379段を「挑戦のストーリー」に変換
- "地域資源の棚卸し"を実施
フェーズ2:ブランド戦略立案
- コアターゲット設定(健康志向ランナー)
- サブターゲット設定(地域の親子)
- ポジショニング設計「聖地で自分に挑戦する」
- メインコピー開発
- 『歴史を駆け抜け、未来を掴め!』(生成AIとの共創で誕生)
フェーズ3:体験設計・大会運営
- 379段のコース設計、安全管理
- 参加カテゴリー(一般/シニア/キッズ/ドッグペア)最適化
- 地域交流と学びを組み合わせた体験導線
- 当日オペレーション設計(導線 × ボランティア配置)
フェーズ4:プロモーション・広報
- ロゴ/キービジュアル制作
- ストーリー設計
- SNS戦略(Instagram・Facebook・X・LINE)
- メディアリレーション(新聞・TV・地元高校生)
フェーズ5:関係人口創出
- モニターツアー(宿泊・歴史体験・食)設計
- オンラインコミュニティ育成
- リピーター施策(特製ステッカー)
- こども未来チケット制度(近江商人"三方よし"の継承)
フェーズ6:行政連携・国への提案
- 事業計画・課題整理・独自性の整理
- 生成AIを活用した応募資料作成
- スポーツ庁「スポーツツーリズムコンテンツ創出事業」採択
4. 施策内容(詳細)
■ 戦略・ブランド設計
- コンセプト策定
- ターゲティング/ペルソナ設計
- 体験価値マップの構築
- ブランド一貫性の設計
■ イベント企画・運営
- コース設計、安全対策、オペレーション設計
- カテゴリー構成・計測方式
- ボランティア体制の構築
- 参加者向けコミュニケーション導線
■ プロモーション
- ロゴ・KV・ビジュアル開発
- SNS発信
- メディア露出(累計20件以上)
- 地域と連動したPR企画
■ 地域連携
- 宿泊・飲食事業者との協働
- 歴史学習ツアーの造成
- リピーター向けイベント
- 観光動線の設計
■ 行政・国への申請支援
- 補助金採択に向けた戦略設計
- 実績データ整理
- 調査・視察対応
- 持続可能な収益モデル構築
5. 2025年大会 成果(定量・定性)
■ 定量成果
- 参加者数:約2000名
- 市外・県外参加者:約54%
- リピーター率:30%以上
- 地域経済効果:約1500万円
- メディア露出:10件超
- スポーツ庁事業採択(2025)
■ 定性成果
- 「東近江市=太郎坊宮」という認知の向上
- 地域のシビックプライド(誇り)の醸成
- 若年層の地域参画の増加
- 関係人口の継続的創出
- 他地域からの視察・連携の増加
6. 自治体向けのポイント(再現性)
太郎坊チャレンジで得られた知見は、他地域でも応用可能です。
■ 本モデルが持つ再現性
- 地域資源を"棚卸し → 価値翻訳 → コンテンツ化"する手法
- 多主体を束ねる合意形成プロセス
- ブランドストーリーによる差別化
- SNS × 映像 × 体験設計の統合的PR
- 補助金採択につながる提案書の構造
■ このノウハウは全国の自治体へ展開可能
- 階段資源
- 歴史資源
- 自然景観
- 祭礼・伝統
- 観光動線
- 市街地資源
どんな地域にも「宝」は眠っています。
その価値を"翻訳"し、磨き上げ、届けるプロセスこそがブランディングです。
7. 今後の展望・支援内容
当社は今後も、次の取り組みを中心に伴走します。
- モニターツアーの本格展開
- 海外ランナー向けプロモーション
- 年間800名規模の参加者獲得
- 地域資源の新規発掘・横展開
- 観光庁補助金事業(2026年度)への提案支援
- 他地域へのモデル展開(階段資源活用など)
"太郎坊チャレンジを日本を代表するステアクライミングイベントへ"
その構想を、自治体・地域団体と共に実現していきます。
8. お問い合わせ
地域資源発掘・観光コンテンツ企画・スポーツツーリズム施策・補助金事業の伴走支援など、ご相談はお気軽にお問い合わせください。
ステップアウトマーケティング合同会社
代表:今宿 裕昭
〒527-0091 滋賀県東近江市小脇町1972番
Email: info@step-out.jp
Tel: 080-3204-0317