生成AI活用

生成AIコンサルタントの選び方──「AIに詳しい人」では足りない理由

「生成AIコンサルタント」を名乗る人が急増しています。でも、AIに詳しいことと、あなたの会社の業績を上げることは別の話です。20社以上の支援実績から見えてきた、本物と偽物を見分ける3つの判断軸をお伝えします。

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今宿 裕昭

今宿 裕昭

ステップアウトマーケティング合同会社 代表|元博報堂 29年

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生成AIコンサルタントの選び方──「AIに詳しい人」では足りない理由

こんにちは、ステップアウトマーケティング代表の今宿裕昭です。

正直に言います。

「生成AIコンサルタント」と名乗る人が、ここ2年で爆発的に増えました。

ChatGPTが世に出てから、それまでプログラマーやWeb制作者だった人が「AI活用支援」を始めるケースが山ほどある。LinkedInやSNSを見れば、「生成AI活用コンサルタント」「ChatGPT研修講師」という肩書きが毎日目に入ります。

別にそれ自体が悪いとは言いません。でも、経営者の方に正直に言っておきたいことがあります。

「AIに詳しい」ことと、「あなたの会社の課題を解決できる」ことは、まったく別の話です。

僕自身が支援している立場として、同業者の批判をするのは本意ではない。ただ、実際に「お金を払ったけど何も変わらなかった」という経営者の声を何度も聞いてきました。

今日は、その経験から見えてきた「選んではいけないコンサルタントの特徴」と「本当に頼れる人を見極める3つの軸」をお伝えします。


なぜ今、見極めが難しくなっているのか

一昔前のITコンサルタントは、専門知識の参入障壁が高かった。

でも生成AIは、使い方の基本を学ぶだけなら1ヶ月あれば誰でもできます。そのため「学んですぐ教える側に回る」人が急増している。

悪意がある人ばかりではありません。むしろ多くは、善意を持って「自分の学んだことを伝えたい」と思っている。でも、問題は**「AIの使い方を教えること」と「経営課題を解決すること」は根本的に違う**という点です。

研修を受けた社員が「ChatGPTの使い方がわかった」と言っても、3ヶ月後に会社の業績が何も変わっていなければ、それは失敗です。


選んではいけないコンサルタントの3つの特徴

①ツールの話から始める人

初回の打ち合わせで、「最近こういうAIツールが話題で」「こんなシステムを導入すると」という話を先にしてくる人は要注意です。

本来、最初に聞くべきは「あなたの会社の今の課題は何か」のはずです。

ツールを先に決める進め方は、「症状を聞く前に薬を処方する」ようなもの。良くなるどころか、副作用が出る可能性のほうが高い。

②「全社DX計画」を最初に作ろうとする人

「まず現状調査から」「全社方針の整理が先」「推進委員会の設置を」という話になりがちな人もいます。

こういう進め方は、大企業では正しいこともある。でも中小企業に100人月規模の変革プロジェクトのやり方を持ち込んでも、リソースが追いつかずに途中で頓挫します。

**中小企業のDXは「小さく試して成果を出す」の繰り返しです。**最初から大きな計画を立てること自体が、失敗のサインです。

③実績の「数字」を聞くと話を濁す人

「支援実績が豊富です」という話はよく聞きます。でも、「具体的にどんな成果が出ましたか?」と聞いたときに、「お客様ごとにさまざまで…」とボカす人は疑ってください。

成果が出ていれば、数字で話せるはずです。「議事録作成が3時間から15分になった」「月に10時間の業務削減が実現した」という話ができない人は、実績というより経験談しかない可能性があります。


本物を見極める3つの判断軸

では、どう選ぶか。

判断軸1:「成果物」ではなく「成果」に責任を持つか

「研修を実施します」「マニュアルを作ります」という提案は、成果物の話です。

本当に頼れるコンサルタントは、「3ヶ月後に○○の業務時間を何割削減する」という成果にコミットします。

最初の提案のときに「何が達成されたら成功か」を一緒に定義してくれる人かどうか、ここが一つ目の判断軸です。

判断軸2:「現場に入れる」か

コンサルタントには大きく2タイプいます。

アドバイスを渡して終わる人と、実際に現場に入って一緒に動く人。

生成AIの導入は、「理論を知る」だけでは定着しません。現場の業務フローに沿って「この業務には、こう使えばいい」という具体的なすり合わせが必要です。

「伴走型で支援します」という言葉は多くの人が使います。でも実態は、月1回のZoom報告会だけというケースも少なくない。「週に何回、現場でどう関わるか」を具体的に聞いてみてください。

判断軸3:「自分自身が毎日使っているか」

生成AIの活用は、日進月歩で進化しています。

半年前の知識がすでに古くなっていることも珍しくない。だから、「自分自身が日常業務で生成AIを使い続けているか」が重要な判断軸になります。

「研究しています」「キャッチアップしています」ではなく、「今日の朝もこのプロンプトで○○を作りました」という話ができる人かどうか。実務者かどうか、ここで見えてきます。


最初の打ち合わせで聞くべき5つの質問

実際に会うときに、これを聞いてみてください。

① 「最近、自分の仕事でChatGPTをどう使いましたか?」

自分が使っていない人が、使い方を教えることはできません。具体的なエピソードが出てくるかどうかが判断材料になります。

② 「これまでの支援で、一番具体的な成果が出た事例を教えてください」

数字と文脈で答えられるかどうかを見ます。「色々と成果が出ています」という曖昧な答えは、NGサインです。

③ 「3ヶ月後に、どんな状態になっていれば成功ですか?」

この質問に即答できる人は、目標から逆算して動く習慣がある人です。「それはご一緒に考えていきましょう」と言う人は、ゴール設定ができていない可能性があります。

④ 「週にどんな形で関わってもらえますか?」

月次報告型なのか、日常的に伴走してくれるのか。稼働の具体像を確認します。

⑤ 「失敗した支援事例はありますか?」

これが一番聞きにくい質問ですが、一番重要です。失敗経験を話せる人は、自分の支援を客観視できている。完璧な成功しか語れない人より、失敗から学んでいる人の方が信頼できます。


費用の相場と考え方

参考として、生成AIコンサルタントの費用感を整理します。

  • スポット相談(1〜2時間):1〜3万円
  • 研修・ワークショップ(半日〜1日):5〜20万円
  • 月次顧問契約(月4〜8時間程度):5〜15万円/月
  • 伴走型プロジェクト支援:月15〜30万円、期間3〜6ヶ月

安いから悪い、高いから良いというわけではありません。

ただ、「月5万円の顧問料で週2回現場に入ります」という提案は、物理的に成り立たない。費用に対して何を提供するかが論理的に説明できるかどうかが判断基準です。


選ぶより先に:自社の課題を言語化する

正直に言うと、コンサルタントを選ぶ前に「何を解決したいか」が言語化できていないと、誰に頼んでも成果は出ません。

「とにかくAIを使えるようにしたい」という状態では、相手も何をゴールにすればいいかわかりません。

最初の打ち合わせまでに、最低でも以下の3点を整理しておいてください。

  1. 今、一番時間がかかっている業務は何か
  2. その課題が解決されると、どんな変化があるか
  3. 3ヶ月後にどんな状態になっていたら満足か

この3点が言えれば、相手の提案の質でその人の力がわかります。


チェックリスト:コンサルタント選びの確認事項

選ぶ前に確認してください。

  • 最初にビジネス課題を聞いてくれたか(ツールの話が先ではないか)
  • 具体的な支援実績を数字で話せるか
  • 3ヶ月後のゴールを一緒に定義しようとしているか
  • 週・月単位の関わり方が具体的に説明されているか
  • 自分自身が日常的に生成AIを使っているか
  • 失敗事例を含めて正直に話してくれるか
  • 費用に対して提供内容が論理的に説明できているか

まとめ:「詳しい人」ではなく「一緒に動ける人」を選ぶ

生成AIコンサルタントを選ぶとき、「AIに詳しいかどうか」は最低条件に過ぎません。

本当に問うべきは、**「あなたの会社の課題を一緒に解決しようとしているか」**です。

  • 成果にコミットしているか
  • 現場に入れるか
  • 自分自身が使い続けているか

この3軸で選べば、大きく外れることはありません。

生成AIの活用は、ツールを知っているだけでは進みません。あなたのビジネスの文脈に合わせて使い方を設計し、現場に定着させるまで並走できる人を選んでください。


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