社員5人の会社でもできるAI研修──費用・助成金・カリキュラムの現実的な話
こんにちは、ステップアウトマーケティング代表の今宿裕昭です。
「社員にもAIを使えるようになってほしい」 「でも、研修って何十万もかかるんでしょ?」
この相談、本当に多い。
調べてみると、AI研修の相場は1人あたり5万〜30万円。5人受けさせたら25万〜150万円。 中小企業にとっては、かなりの金額です。
でも、実はもっと現実的なやり方があります。 しかも、助成金を使えば費用の最大75%が戻ってくる 可能性もある。
今日は「社員5人の会社」を前提にした、現実的なAI研修の進め方を書きます。
大企業向けの研修が中小企業に合わない理由
まず、世の中に出回っているAI研修の多くは、大企業を想定しています。
- 受講者30人以上を前提とした集合研修
- 情報システム部門がある前提のカリキュラム
- 半年〜1年かけるロードマップ
- 1人あたり10万円以上の受講料
社員5人の会社に、こんな研修は合いません。
中小企業に必要なのは、「明日の業務で使えること」を、短時間で、低コストで学べる場 です。
現実的なAI研修の3つのステップ
ステップ1:まず社長が使えるようになる(1週間)
これが一番大事です。
社長が「AIってこういうものか」と実感していないと、社員に「使え」と言っても説得力がない。
やることはシンプルです。
- ChatGPTに登録する(無料でOK)
- 毎日1つ、仕事の作業をAIに頼んでみる
- メールの下書き、議事録の整理、提案書の構成案、何でもいい
1週間もすれば、「これは使える」と「これは使えない」の境界線が見えてきます。 その実感があるかないかで、研修の効果がまるで変わります。
ステップ2:社内で「使い方共有会」をやる(月1回・1時間)
外部の研修をいきなり入れるよりも、まず社内で共有する場をつくる ほうが効果的です。
やり方は簡単。月1回、1時間のミーティングで、
- 「先月、AIをこう使ったら便利だった」を一人ずつ発表
- 「これ、AIでできないかな?」という困りごとを出し合う
- その場でChatGPTに聞いてみて、みんなで結果を見る
これだけで十分です。費用ゼロ。
ポイントは 「うまくいかなかった話」も歓迎すること 。失敗を共有できる空気があると、全員が安心して試せるようになります。
ステップ3:外部の研修を「ピンポイント」で入れる(必要なときだけ)
社内で使い方が定着してくると、「もっとこういうことがしたい」という具体的なニーズが出てきます。
そのタイミングで、外部の研修や支援を入れる。
- プロンプトの書き方を体系的に学びたい
- 自社の業務フローにAIを組み込む設計をしたい
- セキュリティやガイドラインを整備したい
「何を学びたいか」が明確な状態で外部研修を入れると、投資対効果が格段に上がります。
助成金で研修費用を取り戻す
ここからが知っておいてほしい話です。
人材開発支援助成金(厚生労働省)
中小企業がAI研修を実施する際に使える助成金の代表格です。
AI研修に最も適しているのは 「事業展開等リスキリング支援コース」 。DXやAI導入に伴う社員研修が対象で、中小企業に手厚い内容です。
- 対象:雇用保険適用事業所の事業主
- 経費助成:研修費用の最大75%(中小企業の場合)
- 賃金助成:研修中の賃金として1人1時間あたり1,000円
- 上限額:1人あたり最大30万円(100時間未満の訓練の場合)
たとえば、外部講師を呼んで社内研修(6時間)を実施した場合、
- 研修費用20万円 → 75%助成で15万円戻る → 実質5万円
- さらに賃金助成:5人×6時間×1,000円=3万円
申請のポイント
- 事前の計画届出が必要(研修実施の1ヶ月前までに労働局へ提出)
- 「人材開発支援助成金 計画届」で検索すると様式が出てきます
- 管轄の労働局またはハローワークで相談できます
面倒に感じるかもしれませんが、 20万円の研修が実質2万円 になる可能性があるなら、やる価値はあります。
中小企業向けAI研修カリキュラム(例)
社員5人の会社を想定した、現実的なカリキュラムを紹介します。
第1回:AI入門(2時間)
- 生成AIとは何か(難しい話は一切なし)
- ChatGPTに実際に触ってみる
- 自分の業務で1つ試してみる宿題を出す
第2回:業務活用の実践(2時間)
- 宿題の結果を共有
- 「うまくいったこと」「いかなかったこと」を整理
- プロンプトの書き方のコツ(3つだけ)
- 部署別の活用例を実演
第3回:自社への定着(2時間)
- 各自の「AI活用ベスト3」を発表
- 社内ガイドライン(簡易版)を一緒に作る
- 今後の活用計画を立てる
全3回、計6時間。これで十分にスタートが切れます。
よくある質問
Q:うちの業種でもAI研修は意味がありますか?
あります。製造業、建設業、小売業、飲食業、士業。どの業種でもメールを書き、報告書をまとめ、見積もりを作り、アイデアを出します。その全部がAIの守備範囲です。
Q:ITに苦手な50代・60代の社員でも大丈夫ですか?
大丈夫です。僕自身が60歳から始めました。ChatGPTは日本語で話しかけるだけで動きます。LINEが使えれば使えます。
Q:情報漏洩が心配です
最初のルールは1つだけ。 「顧客の個人情報と社外秘の数字は入力しない」 。これだけ守れば、まず問題ありません。慣れてきたら、もう少し細かいガイドラインを整備すればいい。
まとめ:研修は「大がかり」でなくていい
中小企業のAI研修は、大企業のマネをする必要はありません。
- まず社長が使う(1週間)
- 社内で共有する場をつくる(月1回・1時間)
- 必要なタイミングで外部を入れる(ピンポイント)
この順番で進めれば、無駄な出費も、挫折もなく、着実にAIが社内に定着していきます。
助成金も使えば、外部研修の費用も大幅に抑えられる。
「研修」という言葉に構える必要はありません。 まずは社長がChatGPTを開くところから、始めてみてください。
自社に合った研修の進め方を相談したい方へ
「うちの会社だと、何から始めればいいか」 「助成金の申請も含めて相談したい」
そんな方は、まず30分お話ししましょう。 御社の規模・業種・課題に合わせた、現実的な研修プランを一緒に考えます。
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