生成AI活用

中小企業のAI導入、なぜうまくいかないのか──現場で見てきた5つの失敗パターン

AI導入に失敗する中小企業には、共通するパターンがあります。「ツールを入れれば変わる」「若手に任せておけばいい」──そう思っていたら、たぶんうまくいきません。20社以上の支援で見えた、失敗の構造と回避策をお伝えします。

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今宿 裕昭

今宿 裕昭

ステップアウトマーケティング合同会社 代表|元博報堂 29年

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中小企業のAI導入、なぜうまくいかないのか──現場で見てきた5つの失敗パターン

こんにちは、ステップアウトマーケティング代表の今宿裕昭です。

「ChatGPTを入れたけど、誰も使ってない」 「AIの研修をやったけど、結局何も変わらなかった」

最近、こういう話を聞くことが増えてきました。

AIに興味を持って、お金をかけて、一歩を踏み出した。 なのに成果が出ない。

もったいない。本当にもったいない。

僕はこれまで20社以上の中小企業のAI活用を支援してきましたが、うまくいかないケースには明確なパターンがあります。逆に言えば、そのパターンを避ければ、AI導入は高確率で成功します。


失敗パターン1:「ツールを入れれば変わる」と思っている

一番多い失敗がこれです。

ChatGPTの法人プランを契約した。全社員にアカウントを配った。 「さあ、使ってください」

──1ヶ月後、ログインしているのは3人だけ。

当然です。ツールは道具であって、答えではない。

包丁を買っただけでは料理はうまくならないのと同じで、AIも「何に使うか」が決まっていなければ、ただのアイコンです。

回避策

「全社導入」の前に、1つの業務で成功体験をつくる こと。

たとえば「営業部の日報作成をChatGPTでやってみる」とか「総務の定型メールの下書きをAIに任せる」とか。

1つの部署で「ラクになった」という実感が出れば、勝手に広がります。 逆に、実感がないまま横展開しても定着しません。


失敗パターン2:「若手に任せておけばいい」

「AIのことは若い社員のほうが詳しいだろう」

この判断、半分合っていて半分間違っています。

確かに、ツールの操作は若い世代のほうが早い。 でも、 「何にAIを使えば経営インパクトがあるか」を判断できるのは経営者だけ です。

僕がよく見る失敗は、若手社員がAIで遊んでいるうちに上司が「あれは遊びだ」と否定して、プロジェクト自体が消えるパターン。

回避策

経営者自身がまずAIを使う。

社長が「これ、ChatGPTで下書きしてみたんだけど、すごく使えるよ」と言えば、社内の空気は一気に変わります。

僕自身、61歳でプログラミング未経験ですが、毎日AIを使っています。 若手に任せるのではなく、経営者がリードして、若手がサポートする という構図が理想です。


失敗パターン3:完璧を求めて、いつまでも始められない

「セキュリティが心配だから、まずガイドラインを作ってから」 「全社の業務フローを洗い出してから導入計画を立てよう」

気持ちはわかります。でも、これをやっていると半年経っても何も始まりません。

AIの世界は進化が速い。半年前に立てた計画は、もう古くなっています。

回避策

60点で始めて、使いながら直す。

僕が自社サイトにAIチャットボットを実装したとき、最初から完璧なものは作りませんでした。 まず動くものを出して、使ってみて、問題が出たら直す。このサイクルを高速で回す。

セキュリティやガイドラインも大事ですが、最初は 「社外秘の情報は入力しない」 というルール1行で十分です。 使いながら、必要に応じてルールを足していけばいい。


失敗パターン4:高額なコンサルに丸投げする

「AIのことはわからないから、専門家に全部お任せします」

その結果、300万円の「AI導入コンサルティング」を契約して、出てきたのは立派なレポートと実行されないロードマップ。

レポートでは、1円も稼げません。

こういう丸投げが失敗するのは、自社の業務を一番知っているのは自社の人間だから です。 外部のコンサルがどんなに優秀でも、あなたの会社の業務の細かいところまでは知りません。

回避策

「丸投げ」ではなく「伴走」を選ぶ。

いいコンサルは、答えを持ってくるのではなく、あなたと一緒に答えを探す 人です。

僕がやっている支援も「伴走型」です。 最初に現場の話を聞いて、一緒に「何から始めるか」を決めて、実際にやってみて、振り返る。 この繰り返しで、気がついたら自分たちだけでAIを使いこなせるようになっている。

300万円のレポートより、 月5万円の伴走支援のほうが、よほど成果が出ます。


失敗パターン5:「AIで何ができるか」から考えてしまう

これは意外と見落とされがちですが、かなり多い失敗です。

「AIで何ができるんですか?」 「ChatGPTのおすすめの使い方を教えてください」

この質問自体が、すでに順番が逆なんです。

正しくは、「自社の何が課題なのか」が先

「営業の提案書作成に時間がかかりすぎている」 「月末の経費精算で毎回2日つぶれる」 「採用の応募が来ない」

こういう 具体的な困りごと があって初めて、「それならAIでこう解決できますよ」という話ができる。

回避策

「課題ドリブン」で考える。

AIの機能一覧を眺めるのではなく、まず自社の業務で 「一番時間がかかっていること」 を3つ書き出してください。

その3つに対して、「AIで短縮できないか?」と考える。 この順番なら、確実に成果が出ます。


うまくいく会社の共通点

失敗パターンの裏返しになりますが、AI導入がうまくいく中小企業には共通点があります。

  • 社長自身がAIを触っている
  • 最初は1つの業務だけで試している
  • 完璧を求めず、すぐに始めている
  • 外部に丸投げせず、一緒に考える姿勢がある
  • 「AIで何ができるか」ではなく「何に困っているか」から始めている

どれも、特別なスキルや予算は必要ありません。 必要なのは、 「まず自分でやってみよう」という姿勢 だけです。


まとめ:失敗するのは「AI」のせいではなく「始め方」のせい

AI導入がうまくいかない原因は、AIの性能ではありません。

始め方を間違えているだけです。

  • ツールを入れただけで満足しない
  • 若手に丸投げしない
  • 完璧を目指さない
  • 高額コンサルに依存しない
  • 課題から逆算する

この5つを意識するだけで、AI導入の成功率は格段に上がります。


「うちもこのパターンかも」と思った方へ

「ChatGPTは入れたけど、まさに使われていない状態で…」 「コンサルに頼んだけど、レポートだけで終わってしまった…」

もしそう感じたなら、立て直しは十分に可能です。 僕は 「やり直しの支援」 もたくさんやってきました。

まずは30分、今の状況を聞かせてください。 「次に何をすべきか」を一緒に整理します。

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