2026年、中小企業が使えるAI・デジタル化の補助金──申請のコツと注意点
こんにちは、ステップアウトマーケティング代表の今宿裕昭です。
「AIを入れたいけど、費用が心配」 「補助金があるらしいけど、何が使えるのかわからない」
中小企業の経営者から、この相談がとても多い。
僕自身、クライアントの補助金活用を支援してきた経験がありますが、正直なところ 「使える補助金を知らずに全額自腹」 という会社がかなりあります。
もったいない。
今日は、2026年に中小企業がAI・デジタル化で使える主な補助金と、申請で失敗しないためのポイントをまとめます。
2026年、中小企業が使える主な補助金
1. デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
中小企業のデジタル化支援の定番です。2026年度から名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わりました。
- 対象:ITツール(クラウドサービス、業務ソフト等)の導入
- 補助率:1/2〜4/5(枠・規模による)
- 上限額:通常枠で最大450万円
- ポイント:AI関連ツールも対象。たとえばAIを活用した顧客管理ツールや、生成AIを組み込んだ業務システムなど
通常枠のほか、インボイス枠やセキュリティ対策推進枠があります。インボイス枠では小規模事業者の場合、補助率が最大4/5まで上がります。
2. 中小企業新事業進出補助金
かつての事業再構築補助金(2025年3月終了)の後継にあたる補助金です。
- 対象:新分野展開、事業転換、業種転換など
- 補助率:1/2
- 上限額:従業員数により2,500万〜9,000万円
- ポイント:AIを活用した新事業・新サービスの立ち上げに使える
「AIを使って新しいサービスを始めたい」という場合に有力な選択肢です。ただし、認定経営革新等支援機関の確認が必須 で、事業計画の作り込みも必要なので、申請のハードルはやや高い。
3. ものづくり補助金
製造業だけでなく、サービス業でも使えます。
- 対象:革新的な製品・サービスの開発、生産プロセスの改善
- 補助率:1/2(小規模事業者は2/3)
- 上限額:従業員数により750万〜2,500万円(大幅賃上げ特例で最大4,000万円)
- ポイント:AIを活用した業務プロセスの革新も対象
「AIで製造ラインの検品を自動化したい」「AIチャットボットで顧客対応を効率化したい」──こういった取り組みが対象になります。
なお、2026年度は中小企業新事業進出補助金と統合される見込みです。最新の公募情報を確認してください。
4. 人材開発支援助成金
AI研修に使える助成金です。別の記事で詳しく書きましたが、ここでも簡単に触れておきます。
- 対象:社員のAI研修・スキルアップ研修
- 助成率:研修費用の最大75%(事業展開等リスキリング支援コース)
- ポイント:外部講師を招いた社内研修でも使える。1人あたり上限30万円
社員にAI研修を受けさせたい場合、実質負担を1/4に抑えられる 可能性があります。
5. 小規模事業者持続化補助金
小さな会社でも使えるのが強み。対象は常時使用する従業員が商業・サービス業で5人以下、製造業その他で20人以下の事業者です。
- 対象:販路開拓、業務効率化
- 補助率:2/3
- 上限額:通常枠で50万円、創業型で200万円(特例併用で最大250万円)
- ポイント:Webサイト制作やデジタルマーケティングにも使える
AIを活用したWebサイトの構築や、デジタルマーケティングの立ち上げに活用できます。
補助金申請で失敗する3つのパターン
僕が見てきた中で、よくある失敗をお伝えします。
失敗1:「とりあえず申請」で落ちる
補助金の採択率は、ものによりますが30〜60%程度。「出せば通る」わけではありません。
事業計画の作り込みが甘いと、ほぼ確実に落ちます。
特に重要なのは「なぜAIを導入するのか」の理由づけ。 「流行っているから」ではなく、「この業務のこの課題を解決するために、AIのこの機能が必要」 というロジックが求められます。
失敗2:スケジュールを甘く見る
補助金には 申請期限 があります。 しかも、必要書類の準備には通常1〜2ヶ月かかる。
「来月の締切に間に合わせよう」と思い立って準備を始めても、たいてい間に合いません。
常に次の公募スケジュールを把握しておく ことが大事です。
失敗3:「採択されたら終わり」と思っている
補助金は、採択されてからが本番です。
- 事業の実施報告
- 経費の証拠書類の整理
- 実績報告書の提出
これらを期限内にきちんとやらないと、補助金が支払われない ケースもあります。
「面倒くさいけど、数百万円のために頑張る」──この覚悟がないなら、最初から申請しないほうがいい。
補助金申請を成功させるための3つのコツ
コツ1:「何のためにAIを入れるか」を明確にする
審査員が見ているのは、ツールの良し悪しではなく、経営課題との紐づけ です。
「ChatGPTを導入します」ではなく、 「営業報告書の作成に毎月40時間かかっている。AIで自動化することで、その時間を顧客対応に振り向ける。結果、売上10%増を見込む」
こういう書き方ができると、採択率が上がります。
コツ2:認定支援機関を活用する
中小企業新事業進出補助金やものづくり補助金では、認定経営革新等支援機関の確認が必要です。小規模事業者持続化補助金も商工会議所の確認が求められます。
これは面倒なようで、実はメリットが大きい。 経験豊富な支援機関は、申請書のブラッシュアップを手伝ってくれます。
地元の商工会議所に相談するだけでも、かなり違います。
コツ3:「補助金ありき」で計画を立てない
これ、すごく大事です。
補助金が出るからAIを入れるのではなく、AIを入れる必要があるから、補助金を活用する 。この順番を間違えると、採択されても事業がうまくいきません。
補助金はあくまで「追い風」。事業の方向性が正しければ、補助金がなくてもやるべきことをやる。 その上で、使える補助金があるなら使う。この考え方が正解です。
自分で申請する?専門家に頼む?
補助金の申請は、自分でもできます。 ただし、初めての場合はかなり大変です。
| 自分で申請 | 専門家に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 成功報酬10〜20%が相場 |
| 手間 | 数十時間の作業 | ヒアリングと確認程度 |
| 採択率 | 初回は低くなりがち | 経験がある分高い |
| おすすめ | 小規模補助金(〜50万円) | 大型補助金(100万円以上) |
小規模事業者持続化補助金 くらいなら自分で出してみる価値はあります。 ものづくり補助金 や 事業再構築系 は、専門家に相談したほうが結果的に効率がいい。
まとめ:補助金は「知っている人」が得をする
中小企業のAI・デジタル化で使える補助金は、思っている以上にたくさんあります。
- デジタル化・AI導入補助金:AIツール導入に最も使いやすい
- 中小企業新事業進出補助金:AI活用の新事業に
- ものづくり補助金:業務プロセスのAI革新に
- 人材開発支援助成金:AI研修費用の75%が戻る
- 小規模事業者持続化補助金:小さな会社のデジタル化に
大事なのは、「自社に使える補助金を知っていること」 。 知らなければ、全額自腹。知っていれば、半分以上が戻ってくる。
この差は大きい。
補助金の活用について相談したい方へ
「うちの会社で使える補助金はどれ?」 「AIを入れたいけど、予算が足りない」
そんな方は、まず30分お話ししましょう。 御社の状況に合わせて、使える補助金と申請の進め方を一緒に整理します。
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