マーケティング戦略

博報堂29年で学んだ、ブランディングの本質──中小企業がブランドを作るために必要なたった1つのこと

ブランディング=ロゴやデザインではありません。博報堂で29年間、大企業のブランド戦略に関わってきた経験から見えた「ブランドの本質」と、中小企業が今日から始められるブランディングの実践法をお伝えします。

#ブランディング#ブランド戦略#中小企業#マーケティング#博報堂
今宿 裕昭

今宿 裕昭

ステップアウトマーケティング合同会社 代表|元博報堂 29年

プロフィール →
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こんにちは、ステップアウトマーケティング代表の今宿裕昭です。

僕は博報堂に29年間勤め、ユーキャン、ENEOS、スズキといった企業の広告やブランディングに携わってきました。

その29年で一番学んだことは何かと聞かれたら、こう答えます。

ブランディングとは、ロゴを変えることでもWebサイトをリニューアルすることでもない。「選ばれる理由」を言語化し、一貫して伝え続けることだ。

これだけです。

大企業でも中小企業でも、成功するブランドと失敗するブランドの分かれ目は、ここにあります。


「ブランディング」という言葉の誤解

支援先の経営者に「ブランディングに興味はありますか?」と聞くと、2つの反応に分かれます。

「うちみたいな小さい会社にブランディングなんて」と距離を置く人。

「ロゴとか名刺のデザインを変えたいんです」と具体的に話し始める人。

どちらも、ブランディングの本質からはズレています。

ブランドとは、お客さんの頭の中にある「あなたの会社に対するイメージ」 のことです。

ロゴやデザインはそのイメージを形にする手段に過ぎません。手段から入ると、「キレイなロゴはできたけど、何も変わらなかった」という結果になります。


大企業と中小企業、ブランディングの違い

博報堂時代、担当した企業は年間数億円の広告予算を使えるところばかりでした。テレビCM、新聞広告、大規模キャンペーン──それだけの投資で「認知」を取りにいける。

中小企業にはその予算がありません。

でも、ブランディングの本質は予算の大小で変わらないというのが、僕が29年かけて辿り着いた結論です。

違うのは手段だけです。

  • 大企業:テレビCMで認知を取り、大規模調査でブランドイメージを測定する
  • 中小企業:日々の接客、SNS、口コミ、地域活動で「この会社はこういう会社だ」というイメージを積み上げる

手段は違っても、やるべきことは同じ。「自分たちは何者で、なぜ選ばれるのか」を明確にして、ブレずに伝え続けること。


ブランディングの4ステップ

シンプルに4つのステップで考えます。

ステップ1:誰に伝えるか(ターゲット)

「みんなに知ってほしい」は、誰にも届かないのと同じです。

「この人に選ばれたい」という具体的な1人を想像できるかどうか。 ここがスタートラインです。

年齢、職業、悩み、価値観──顔が浮かぶくらい具体的に描く。そうすると、メッセージが自然と絞られます。

ステップ2:何を伝えるか(価値の言語化)

「うちの商品は品質がいい」は、価値の言語化ではありません。他社も同じことを言っているからです。

「なぜあなたの会社でなければならないのか」を、お客さんの言葉で表現する。

これが一番難しいステップです。でも、ここを飛ばすと、何をやっても「よくある会社」で終わります。

ヒントは、既存のお客さんに聞くことです。「なぜうちを選んでくれたんですか?」と。自分たちが気づいていない強みが、そこに眠っています。

ステップ3:どう伝えるか(表現と接点)

ターゲットと価値が決まったら、ようやく「どう伝えるか」です。

ロゴ、Webサイト、名刺、SNS、営業トーク、接客の言葉遣い──すべてが「伝え方」です。

大事なのは「一貫していること」。 名刺では高級感を出しているのに、WebサイトはポップでSNSはカジュアル。これでは、お客さんの頭の中に一つのイメージが残りません。

ステップ4:続ける

ブランディングで最も過小評価されているステップがこれです。

ブランドは、1回のキャンペーンでは作れません。「同じことを言い続ける」ことでしか、作れない。

博報堂時代に見てきた強いブランドは、例外なく「メッセージを変えずに伝え続けた」会社でした。逆に、毎年コンセプトを変える会社のブランドは、いつまで経っても定着しない。

「飽きた」と思うのは自分たちだけです。お客さんはまだ覚えていません。


中小企業のブランディング、成功の条件

中小企業でブランディングがうまくいく会社には、3つの共通点があります。

経営者自身が言葉にしている

ブランドのメッセージは、マーケティング担当に任せるものではありません。経営者自身が「うちは何のために存在しているのか」を自分の言葉で語れるかどうか。

外注のコピーライターに頼んで立派なスローガンを作っても、経営者本人が語れなければ社内に浸透しません。

全員が同じことを言える

社長の名刺に書いてある理念と、営業担当が商談で話す内容と、受付の電話対応。

この3つが同じメッセージを発しているかどうか。社員全員が「うちの会社は○○な会社です」と同じ一言で説明できる状態が、ブランディングのゴールです。

3年は続ける覚悟がある

半年で結果が出ることは稀です。

ブランドは信頼の蓄積です。信頼は時間がかかる。最低3年は同じメッセージを言い続ける覚悟があるかどうか。 これがないなら、ブランディングに投資する前に、まず覚悟を固めた方がいい。


ブランディングでよくある3つの失敗

① デザインから入る

「まずロゴを変えよう」「Webサイトをカッコよくしよう」。

気持ちはわかりますが、「何を伝えるか」が決まる前にデザインを作るのは、行き先を決めずに車を走らせるのと同じです。

デザインは「伝えたいこと」を形にする手段。順番を間違えると、キレイだけど意味のないデザインができあがります。

② 流行を追いかける

「最近はパーパス経営が流行っている」「SDGsを打ち出すべきだ」。

流行に乗ること自体は悪くありません。でも、自社の本質と無関係な流行に飛びつくと、「この会社、結局何がしたいんだっけ?」 とお客さんを混乱させます。

流行は取り入れるものであって、軸にするものではありません。

③ 途中でやめる

これが一番多い失敗です。

半年やって「効果が見えない」とやめてしまう。別のコンセプトに変える。また半年やってやめる。

ブランディングの成果が見えない理由の大半は、「まだ浸透していないだけ」です。 やめたら、それまでの投資がすべて無駄になる。


たった1つの問いに答えられるか

29年間、数えきれないブランドに関わってきて思うのは、結局ブランディングとはたった1つの問いに答えることだということです。

「あなたの会社は、なぜ存在しているのか」

この問いに、経営者が自分の言葉で答えられたとき、ブランディングは始まります。

逆に言えば、この問いに答えられないうちは、ロゴもWebサイトもSNSも、すべて後回しでいい。

まずは、この1つの問いと向き合ってみてください。


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