生成AI活用

62歳、プログラミング経験ゼロからAIで会社を回す──シニア経営者のリアルな導入記

62歳、博報堂を辞めて6年。プログラミング経験ゼロの僕が、生成AIで自社サイトを開発し、毎朝note記事を書き、ポッドキャストを配信するまでのリアルな過程を書きます。シニア経営者がAIを始めるときに知っておきたいこと。

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今宿 裕昭

今宿 裕昭

ステップアウトマーケティング合同会社 代表|元博報堂 29年

プロフィール →
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こんにちは、ステップアウトマーケティング代表の今宿裕昭です。

62歳です。

最初に言っておきます。僕はプログラミングができません。HTMLもCSSもわかりません。ExcelのVBAすら書いたことがない。

博報堂に29年いましたが、マーケティングとクリエイティブの人間でした。クリエイティブの経験を積んで、またマーケティングに戻る。そういうキャリアです。技術とは無縁でした。

その僕が今、自社サイトの開発・保守をひとりでやっています。毎朝のnote記事も、ポッドキャスト配信も、Google Analyticsの分析も。

どうやって?


始まりは「新し物好きの血が騒いだ」から

2022年11月30日。OpenAIがChatGPTをリリースしました。GPT-3.5というモデルを使った、誰でもAIと会話できるサービスです。

新し物好きの血が騒ぎました。

博報堂にいた頃から、新しいテクノロジーには真っ先に飛びつく性格でした。インターネットが出てきたときも、スマートフォンが出てきたときも、「これは世の中を変える」と直感して触りに行った。

ChatGPTも同じでした。触った瞬間、「これは仕事が変わる」と確信しました。


最初から、仕事に使った

僕の場合、「遊び」の期間はほとんどありませんでした。

最初から、自分の仕事を手伝わせました。

企画書の下書き。補助金の申請書類。提案書のロジックチェック。クライアント向けのリサーチ。

バンバン、生成していきました。

生成AIそのものが進化するたびに、できることが広がる。ChatGPTからClaude、Perplexity、Gemini──新しいモデルが出るたびに試し、使い方をアップデートし続けてきました。

大切なのは、どんな問いに対して、どんな答えを返してくるのか。その引き出しをいくつ持てているのか。

できることと、できないこと。正しいことと、嘘をつくこと。その差を見極めるには、とにかく何度も会話を重ねるしかありません。

人間と同じです。どれだけ会話したかで、理解が深まる。

生成AIの進化に、3年間伴走してきた。 それが僕のAI体験の本質です。


2025年11月、すべてが変わった

転機は、2025年11月でした。

GoogleがGemini 3 Proをリリースしました。同時期に、AnthropicのClaude、OpenAIのモデルも急速に進化していた。生成AI全体のレベルが、一段階上がった感覚です。

アウトプットの精度が、それまでとは次元が違った。

「これなら、自社のサイトをリニューアルできるんじゃないか」

やってみたら、本当にできてしまいました。

プログラミング経験ゼロの62歳が、です。

Claudeというツールに「トップページにこういう情報を載せたい」「ブログページを追加したい」と日本語で伝えるだけ。コードを書き、ファイルを作り、サーバーにデプロイする手順まで案内してくれる。


プランニングから、ソリューションまで

サイトのリニューアルは、入口に過ぎませんでした。

SEO対策も、AIに依頼すればどんどんできる。GEO(生成エンジン最適化)も。必要なウェブアプリも、バンバン作れる。

博報堂時代の僕は、クリエイティブディレクターでした。「何をすべきか」を考え、「どう伝えるか」を設計する。でも、実行は制作会社やエンジニアに任せるしかなかった。

今は違います。プランニングからソリューションまで、一気通貫でできる。

AIがあれば、考えるだけでなく、作れる。

だから、仕事の軸足を一気にAIに寄せていきました。AI伴走プロデューサー。経営者のAI活用を、伴走しながら支援する。

新しいクライアントが、どんどん増えていきました。


シニアがAIを始めるときの3つの壁

振り返ると、僕がぶつかった壁は3つありました。同世代の経営者と話すと、だいたい同じところで止まっています。

壁1:「カタカナ語」の壁

プロンプト。トークン。ファインチューニング。API。

AIの世界はカタカナ語だらけです。これだけで「自分には無理だ」と思ってしまう。

解決策は、全部無視することでした。

僕はいまだにトークンの計算方法を知りません。APIの仕組みも正確には理解していない。でも使えています。

車のエンジンの構造を知らなくても車は運転できるのと同じで、AIの仕組みを理解する必要はありません。使い方さえわかればいい。

壁2:「タイピング」の壁

これは切実でした。若い世代のようにキーボードを高速で打てません。

ChatGPTの音声モードが、この壁を壊してくれました。話しかけるだけで使える。 車の中でも、散歩中でも。

音声入力の精度は、僕が使い始めた頃と比べても格段に上がっています。日本語の認識もほぼ完璧です。

壁3:「失敗が怖い」の壁

一番大きかった壁は、これかもしれません。

「間違った使い方をして、変なことになったらどうしよう」 「顧客データが漏洩したら取り返しがつかない」

この不安は正当です。無視してはいけない。

僕がやったのは、最初は個人の仕事だけにAIを使うことでした。顧客情報は入れない。社外秘のデータは渡さない。自分の提案書の下書きや、自分のアイデアの壁打ちだけに使う。

安全な範囲で「使える」実感を積んでから、少しずつ用途を広げていきました。


生成AIと歩んだ3年で変わったこと

2022年11月にChatGPTを触り始めてから3年半。変わったことを正直に書きます。

変わったこと:

  • 自社サイトを自分で開発・保守できるようになった
  • 毎朝、日経新聞を読んでnote記事を書く習慣ができた
  • ポッドキャストを配信するようになった
  • 提案書のクオリティが上がった(リサーチの深さが変わった)
  • 「ひとりで仕事をしている」感覚が薄くなった

変わらなかったこと:

  • 営業は自分でやっている。AIは代わりに電話をかけてくれない
  • クライアントとの信頼関係は、対面でしか作れない
  • 最終的な判断は、すべて自分がする

AIは万能ではありません。でも、「ひとりでもやれる」の範囲が劇的に広がりました。


「60代だからこそ」の強み

ひとつ、意外なことに気づきました。

60代は、AIの恩恵を一番受ける世代かもしれない。

なぜか。「何を聞けばいいか」を知っているからです。

若い世代は、AIをツールとして使いこなすのは速い。でも「何を聞けばいいか」の精度は、経験に比例する部分がある。

60代は違います。30年以上の仕事の経験がある。課題を言語化する力がある。「この提案の弱点は何か」「この市場のリスクはどこにあるか」──こういう問いを立てられるのは、経験があるからです。

AIは「答える力」は持っている。でも「問う力」は持っていない。

問う力を持っているシニア経営者こそ、AIの最良のユーザーだと僕は思っています。


始めるのに遅すぎることはない

ChatGPTが出たとき、僕は59歳でした。プログラミング経験ゼロで飛びつきました。

3年半経った今、あのとき始めてよかったと心から思います。でも、「今から始めても遅い」とは思いません。

AIは毎月進化しています。僕が始めたときより、今のほうが使いやすい。来月はもっと使いやすくなる。

始めるベストタイミングは、いつだって「今日」です。

もしあなたが50代、60代の経営者で、AIが気になっているけど踏み出せないなら、今日ChatGPTの無料版を開いて、こう聞いてみてください。

「私の会社は○○業で、いま一番困っているのは△△です。AIで解決できますか?」

その返答が、最初の一歩になります。


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